告白免許

史織さんと恋人になるには、自転車免許が必須だった。 父親に聞いたけれど、昔は自転車を乗るのに免許は必要なかったらしい。だけど車の交通事故に比例するぐらい事故が多くなったときから、国はとある法律を制定した。自転車免許制の導入だ。 国民の反対を…

雪の季節

《あらすじ》 神無月春永は娘とスキーをするために雪山を登ったが、コースを外れ遭難してしまう。 見つけた山小屋で死にかけたとき、餌として食らいにきた雪女に助けられた。 誰にも言わないという約束をして。 2年後、春永は雪江という女性と再婚し、幸せ…

愛を取り戻せ

私が研究室で優雅にコーヒーを飲んでいると、突然博士がノックもせずに部屋に入ってきた。 「ミツコ君! 過去や未来に行ける、タイムマシンが完成したぞ!」 博士は喜々として大声一発。 黒い液体を吐きそうになるが、無理やり飲み込む。 「どうした? 早く…

本屋の女王様

ベッドの上で拘束されていた。 体中を革のベルトでしめられている。動けない。手や足や胴、首まで強固な束縛用具がはまっている。 部屋は高級感であふれていた。よくわからない彫刻がされた照明、誰が書いたかわからない絵画、白く取っ手の丸い棚。王女様が…

こけし

栗原は白シャツを着て、赤いネクタイをしめ、黒いコートを羽織っていた。 「サンタクロースって死に神みたいね」 ラブホテルの白いベッドのなかで、不倫相手の明美がしゃべった。勤務する会社の事務員で、年は十個下だった。自分が四十八なのだから、三十八…